不自然な歩き方などで足裏の一点に体重が集中すると、タコができやすくなります。タコは角質が厚くなって生じますが、痛みを感じにくいため、つい放置してしまいがちです。
しかし、足裏のタコを放置すると歩行に支障をきたし、関節への負担が増加したり、巻き爪や変形爪といった二次的なトラブルを引き起こしたりします。
症状を改善するには、タコができる原因を見極め、対策することが必要です。
本記事では、足裏にタコができる原因や放置によるリスク、セルフケア方法などを解説します。
足裏にできるタコは基本的にあまり痛くない
足裏にできるタコは、ジンジンとした圧痛を感じる可能性はありますが、強い痛みがないケースがほとんどです。皮膚が硬くなると感覚が鈍くなるため、むしろ刺激に気づきにくくなる傾向があります。
そもそもタコとは、皮膚が圧迫や摩擦に対して防御反応を示し、角質が厚くなった状態を指します。医学的には「胼胝(べんち)」と呼ばれ、足裏の突出した部分にできやすいのが特徴です。
タコになると皮膚が黄色っぽく変色したり、表面がザラザラした感触になったりします。慢性化すると表面が乾燥して白くなり、周囲の皮膚より盛り上がって見える場合もあります。
とはいえ、原因となる習慣を続けていると悪化して治りにくくなる可能性があるため、放置しないようにしましょう。
【場所別】つま先・足裏・かかとにタコができる原因と痛みの程度
タコはできる部位によって、原因や感じる痛みの程度が異なります。場所別の主な原因は下記の通りです。
タコの症状や痛みを和らげるには、原因に応じた対策を立てる必要があります。タコの悪化や再発を防ぐためにも、日常の靴選びや歩き方、ケア方法を見直しましょう。
①つま先:足に合わない靴を履いている
つま先にタコができやすい主な原因は、サイズや形が足に合っていない靴による圧迫・摩擦です。
つま先が細くデザインされた靴を履くと、足の指同士が密着しやすくなり、歩行時に摩擦が生じやすくなります。その結果、皮膚が繰り返し刺激を受けて角質が厚くなり、タコが形成されます。
特に小指の付け根付近は、靴による横からの圧迫で角質化が進みやすい部位です。また、サイズが小さい靴は足全体を締めつけ、指の関節や骨の出っ張った部分に圧力をかけてしまいます。
反対に、大きすぎる靴を履いた場合は、脱げないように足を踏ん張る動作が増え、余計な力が加わってタコの原因となります。
靴による摩擦や圧迫が続くと、ヒリヒリとした刺激や、押しつぶされるような痛みを感じるようになるでしょう。
タコを予防するには、適切な靴選びが欠かせません。つま先部分に5〜10mm程度の余裕があり、足の横幅に窮屈さを感じない靴を選びましょう。
さらに、ヒールが高すぎず安定感があり、かかとや土踏まずがフィットしているかも確認しましょう。靴が足にしっかり合っていると、足への無理な負荷が減り、タコを予防しやすくなります。
②足裏:足の形や歩き方に問題がある
足の形や歩き方に問題があると、足裏にかかる圧力が一部に集中しやすいため、タコができやすくなります。
たとえば、O脚や外反母趾など足の骨格に歪みがある場合、重心が偏って親指や小指の側面にタコができるケースが多いです。
また、かかとが極端にすり減るような歩き方をする方やがに股の方も、足裏の一部に負荷がかかってタコができやすくなります。
アンバランスな状態が続いて体重が足裏の一点に集中すると、歩くたびにジンとした痛みを感じるでしょう。
タコを予防するには、正しい歩き方を意識する必要があります。かかとから着地し、つま先に体重を移動させて、足の指で地面を蹴るようにして踏み出すのが正しい歩き方です。
ただし、足に歪みがある場合、歩き方の改善だけでは効果が出にくい場合もあります。そのようなときは、インソールを活用するのがおすすめです。
インソールには体のバランスを補整する役割があり、足裏の一部に集中する体重を分散させられます。歩き方を根本から整えれば、タコを防ぎやすくなるでしょう。
③かかと:皮膚が乾燥している
かかとにできるタコの多くは、皮膚の乾燥が関係しています。乾燥した状態が続くと皮膚の柔軟性が失われ、角質が硬くなってタコができやすくなります。
さらに、サイズの合わない靴を履くと歩行時の摩擦が増えるため、かかとの角質が一層厚くなるでしょう。タコになった部分は、圧痛によって歩くたびにジンジンとした痛みを感じる場合があります。
放置すると乾燥によってひび割れが起こり、痛みが悪化するおそれもあるため、保湿ケアが欠かせません。入浴後など皮膚が柔らかくなっているタイミングで、クリームを使って保湿しましょう。
乾燥がひどいときは、コットンに化粧水を染み込ませ、タコのある部分に数分間パックするのもおすすめです。毎日保湿を行えば、かかとの角質が厚くなりにくくなり、タコの予防につながります。
足裏のタコを放置するリスク
強い痛みがないため、つい放置しがちな足裏のタコですが、対策を怠ると次のようなリスクが生じる可能性があります。
足裏の健康は全身に影響するため、小さな変化でも見逃さないようにしましょう。
①:関節を痛めたり歩行しにくくなったりする
足裏のタコをそのままにしておくと、体重のかかり方が偏り、歩行が不安定になるおそれがあります。タコができる原因の一つは、足のアーチ(土踏まず)の崩れや、O脚・外反母趾といった骨格の歪みです。
骨格の歪みは、足だけでなく膝や腰、背中にも影響し、膝痛や腰痛などを引き起こします。
若いうちは股関節や膝関節の柔軟性が高く、腰や膝で体を支えてバランスを取ることも可能です。しかし、年齢を重ねるにつれて関節が徐々に硬くなり、筋力も低下するため、体のバランスの維持が難しくなります。
その結果、ふとした拍子に足がもつれたりつまずいたりしやすくなり、さらには歩行障害や慢性的な痛みの原因につながるおそれもあります。
②:巻き爪や変形爪といった別のトラブルにつながる
巻き爪や変形爪の原因はタコと同様で、靴による圧迫や不自然な歩き方です。足裏のタコを放置すると誤った歩き方が癖になり、巻き爪や変形爪を引き起こしやすくなります。
巻き爪とは、爪の両端が内側に巻き、皮膚に食い込んで痛みを伴う症状です。親指に発生しやすく、歩行時の痛みを庇うためにさらに不自然な歩き方になり、悪循環を生み出します。
変形爪とは、爪が厚く硬くなったり、波打つような凹凸ができたりする症状です。見た目が悪くなるだけでなく、靴を履いたときに違和感や痛みを引き起こすこともあります。
巻き爪になる原因や改善方法は、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
③:細菌感染を引き起こして強い痛みを感じる
足裏のタコは強い痛みを伴わないため軽視されがちですが、ケアをせずに放置すると細菌感染を引き起こす可能性があります。乾燥によってタコにひび割れが起こると、そこから細菌が侵入してしまいます。
また、市販のケア用品などで角質を無理に削りすぎ、皮膚を傷つけてしまうことも、感染リスクを高める一因です。
感染するとタコの部分が赤みを帯びたり、膿が溜まったりといった症状が現れます。じっとしていてもズキズキと痛むようになり、歩きにくさが増す可能性も否定できません。
細菌感染が見られた場合は自分で処置せず、医療機関で診察を受けるようにしましょう。
タコが痛いときは魚の目やイボの可能性も
「タコだと思っていたけれど、痛みが強い」と感じる場合は、魚の目やイボの可能性があります。魚の目は角質の中心に芯があり、イボは皮膚が変色して出血がみられます。
痛みが続くときは魚の目やイボの可能性も視野に入れ、適切な対応を取りましょう。
①:魚の目
足裏にできた硬い角質が強く痛むときは、タコではなく魚の目の可能性が高いでしょう。
魚の目は皮膚が厚く硬化するだけでなく、中心部に円すい状の「芯」が形成されるのが特徴です。芯は表面から真皮に向かって食い込むため、歩く際に神経を刺激し、鋭い痛みを感じます。
一方、タコには芯がないため、基本的には触れても鋭い痛みは生じません。そのため、痛みが強いときは魚の目の可能性を疑う必要があります。
魚の目の症状や原因、治し方については、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。
②:イボ
タコと間違われやすいもう一つの症状がイボです。イボの主な原因はウイルス感染であり、皮膚の色が黒や青に変色しているケースがあります。
また、ぷつぷつとした小さな出血が見られ、つまむと痛みを感じるのも特徴です。足裏にできたイボは歩行による圧力で皮膚の奥深くに入り込みやすく、自然治癒しにくい傾向があります。
圧迫が続くとイボとタコが併発するケースもあるため、どう対処すべきか迷ったら専門店や医療機関に相談しましょう。
足裏のタコを柔らかくする方法
サリチル酸を含む外用薬は、足裏のタコを柔らかくする効果が期待できます。軽度のタコを改善したいときは、外用薬を使って様子を見てみましょう。
ただし、サリチル酸には皮膚の角質層を剥がす作用があるため、タコ以外の正常な皮膚も皮剥けを起こすリスクがあります。外用薬を使用する際は、患部よりもやや小さい範囲で塗布しましょう。
また、タコを柔らかくするには足浴もおすすめです。温かいお湯に塩を加え、足を15〜20分ほど浸けると角質が柔らかくなりやすくなります。
足浴の後はクリームで皮膚のうるおいを補い、乾燥を防ぎましょう。
タコが気になるなら、専門店・医療機関に診てもらおう
足裏のタコはセルフケアで改善できるケースもありますが、場合によっては専門的な治療が必要です。外用薬でケアを続けても改善が見られないときは、専門家への相談を検討しましょう。
フットケア専門店では、専用の機器を用いて皮膚に負担をかけずに角質を除去する施術が受けられます。再発防止のアドバイスも受けられるので、タコが繰り返しできる方は一度相談してみましょう。
また、痛みや赤みがあるタコは医療機関への相談がおすすめです。タコの中心に穴があいていたり、液体がにじんだりする場合は、炎症で皮膚の傷が深くえぐれた潰瘍化(かいようか)を引き起こしている可能性があります。
なお、専門店や医療機関での治療方法は、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
巻き爪補正店では、タコの原因や足の構造に合わせて、適切なアドバイスやケア方法を提案しています。角質の除去だけでなく、再発防止もしたい方は、ぜひご相談ください。
