爪白癬(つめはくせん)は爪水虫とも呼ばれる感染症で、白癬菌(はくせんきん)というカビが爪に侵入して発症します。
爪が白色に変色したり、厚くなったり、もろくなったりする症状が現れるのが特徴です。放置すると症状が進行し、日常生活にも支障をきたす恐れがあります。
また、爪白癬とよく似た「変形爪」の場合は対処法が異なるため、注意が必要です。
本記事では、爪白癬の原因から治療法、予防策まで詳しく解説します。
爪白癬(爪水虫)の原因はカビの増殖
爪白癬は、白癬菌と呼ばれるカビの一種が原因です。白癬菌は爪の主成分であるケラチンを栄養源としており、高温多湿の環境で増殖します。
白癬菌が爪の先端や側面から侵入すると、徐々に爪の下部や爪全体に広がります。特に多いのは、足白癬(いわゆる水虫)を放置し、白癬菌が爪にまで移行するケースです。
爪が白や黄色に濁り、分厚くもろくなるのが主な爪白癬の症状です。かゆみなどの自覚症状がないため見過ごされがちですが、進行すると爪の変形により歩行時に痛みを感じることがあります。
白癬菌の感染は自然に治るものではなく、放置すると悪化する可能性があるため、医療機関で治療を受けましょう。
爪白癬(爪水虫)の治し方は内服薬と外用薬の2つ
爪白癬の治療には、医療機関で処方される抗真菌薬が効果的です。抗真菌薬は白癬菌の増殖を抑制したり、菌を死滅させたりする働きがあります。
治療に使われる薬には、内服薬と外用薬の2種類があります。症状の程度によって適切な治療法が異なるため、医師の診断と処方に基づいて治療を行いましょう。
①:推奨されている治療法は内服薬
「日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン」では、爪白癬の治療に内服薬の服用を推奨しています。
内服薬は有効成分が血流に乗って爪に届けられるため、外用薬では届きにくい部分にも効果が期待できます。
特に爪が黄ばんで厚くなったり白く濁っていたりするときは、爪の外からの治療では改善が困難であるため、内服薬による治療が基本です。
ただし、内服薬には胃腸の不調や肝臓への負担といった副作用が起こる可能性があります。治療期間中は医師の指示に従い、定期的な血液検査で体の状態を確認しながら進めていくのが一般的です。
※参考:日本皮膚科学会「日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン2019」
②:軽度の爪白癬には外用薬も有効
爪白癬の症状が爪の表層だけに現れている初期段階では、外用薬による治療で改善が期待できます。外用薬を爪に直接塗ると成分が爪の内部にしみ込み、白癬菌に作用します。
医師から外用薬を処方してもらったら、1日1回の塗布を毎日継続しましょう。途中で使用をやめてしまうと再発の原因になるため、医師の指示に従い根気よく続ける必要があります。
爪白癬の治療にかかる期間は1年以上
爪白癬の治療は、薬の効果によって白癬菌の増殖を抑えつつ、新たに健康な爪が伸びるのを待つ形で進めます。今生えている爪の変色や変形が改善するわけではありません。
足の爪は成長が遅く、きれいに生え変わるまで半年から1年以上かかることも珍しくありません。変色範囲が広かったり、爪が肥厚していたりすると、治療完了までの時間が長くなるでしょう。
また、年齢や体質によっても完治までの期間が異なります。症状が進行すればするほど治療に長い時間を要するため、異変に気づいた段階で早めに専門機関へ相談しましょう。
爪白癬(爪水虫)を治す際の2つの注意点
爪白癬を治すにあたり、注意点が2つあります。
①:市販の薬では治せない
爪白癬を改善したい場合、ドラッグストアやインターネットで購入できる市販薬では十分な効果が得られません。市販薬は、足の皮膚や体にできる水虫への使用を前提として作られているためです。
爪に入り込んだ白癬菌への効果が認められているのは、医療機関で処方される抗真菌薬です。市販薬で対処しようとせず、必ず医療機関を受診しましょう。
②:自己判断で治療をやめると再発しやすい
爪白癬は見た目が改善しても、目に見えない部分に白癬菌が潜んでいる場合があります。そのため、自己判断で治療をやめないようにしましょう。
途中で薬の使用をやめた場合、残っていた菌が再び増殖し、再治療が必要になるケースも少なくありません。自己判断を避け、医師から治療終了の判断があるまで治療を継続しましょう。
爪白癬(爪水虫)を予防するための4つの対策
日常生活の中に下記の予防策を取り入れると、爪白癬の感染や再発リスクを下げられます。
毎日の習慣を少し見直すだけで、爪白癬の予防に大きくつながります。いずれも取り組みやすい対策であるため、さっそく実践してみましょう。
①:足を洗って清潔に保つ
白癬菌による感染を防ぐには、足を清潔に保つ習慣が基本となります。石鹸を使って足の裏や指の間まで丁寧に洗い、毎日清潔にすることを心がけましょう。
特に公衆浴場やスポーツジムなど、多くの人が素足で歩行する場所や共有マット・スリッパを使用する場所から帰宅した際は、足の洗浄が不可欠です。
白癬菌は皮膚に付着してもすぐ感染するわけではないため、入浴時に足をきちんと洗っていれば、爪白癬を防げます。
なお、お風呂上がりに足に水気が残っていると、蒸れて菌が増殖しやすくなります。指の間までタオルでしっかりと水気を拭き取り、湿ったまま放置しないようにしましょう。
②:保湿で乾燥を防ぐ
保湿により足の皮膚を健やかに保つことは、白癬菌の侵入を防ぐうえで欠かせません。乾燥した皮膚はひび割れや小さな傷ができやすく、白癬菌が入り込みやすくなるためです。
また、白癬菌は皮膚の角質を栄養源として増殖します。保湿すると角質が柔らかくなり入浴時に除去しやすくなるため、角質が厚くなりやすい部分は念入りに保湿するとよいでしょう。
③:足元の蒸れ対策をする
足が長時間蒸れた状態になると、白癬菌が繁殖しやすくなります。高温多湿の環境では菌の増殖が活発になるため、足元の通気性を意識した対策が必要です。
靴下選びでは吸湿性に優れた素材を意識しましょう。綿や木綿など天然素材の靴下は汗を吸収しやすいため、蒸れ防止になります。また、通気性に優れた5本指ソックスもおすすめです。
さらに、靴は数足をローテーションで使用する習慣を身につけましょう。同じ靴を連日使用すると内部の湿気が抜けず、白癬菌が増殖しやすくなります。履いた靴はしっかり乾燥させてから使用しましょう。
④:掃除・洗濯をこまめに行う
爪白癬の予防には、掃除や洗濯で生活環境を清潔に保つのも大切です。
床やカーペットなどには、剥がれ落ちた角質とともに白癬菌が潜んでいます。白癬菌は長期間生き続ける特性があるため、角質が落ちている場所を裸足で歩くと感染する可能性が高まるでしょう。
治療前に自分自身が落とした角質が残っており、治療後に角質を踏んで再感染するケースもあります。掃除を怠ると感染リスクが上がるため、掃除機をかける際は隅々まで丁寧に行いましょう。
また、バスマットは湿気を含みやすく菌が繁殖しやすい環境のため、洗濯が必須です。定期的に洗濯し、しっかり乾燥させておきましょう。
爪白癬(爪水虫)に似た症状「変形爪」とその治し方
爪白癬と外見上よく似た症状に変形爪(肥厚爪:ひこうそう)があります。変形爪は爪が通常より厚くなり、黄色や褐色に変色したり、硬化したりする症状です。
医療機関で検査を受けた際に白癬菌が検出されない場合、変形爪である可能性が高いです。変形爪になる原因は、乾燥や深爪、靴による圧迫などです。
分厚くなった爪を正常な状態にするには、フットケア専門店で施術を受ける必要があります。余分な爪や角質を削り、爪の正常な成長を促して治療を進めていきます。
変形爪の治し方は下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
適切な治療を受けて爪白癬(爪水虫)を治そう
爪白癬は、適切な治療と予防策で改善できる症状です。異変に気づいたら、まずは皮膚科を受診して正確な診断を受けましょう。
爪白癬は市販薬で対応できないため、医師の処方による内服薬や外用薬での治療が必要です。日常生活では足の清潔さを保ち、保湿ケアや蒸れ対策、環境の衛生管理を徹底して予防に努めましょう。
なお、医療機関での検査で白癬菌が検出されない場合は、変形爪の可能性があります。変形爪の改善には、フットケア専門店による施術が必要です。
巻き爪補正店では、変形爪の施術に対応しています。変形爪か爪白癬か判断に迷ったら、一度巻き爪補正店にご相談ください。
爪の状態を確認し、変形爪なら施術、爪白癬なら病院の紹介を提案させていただきます。
