爪は指先の皮膚を保護する重要な役割を担っていますが、トラブルがあるとその役割が十分に果たされなくなってしまいます。
特に巻き爪や分厚い爪などの症状があると、痛み・不快感で姿勢や歩き方が不自然になります。
爪は私たちの体調を映し出す鏡ともいえますが、あなたの爪は今、健康的できれいな状態でしょうか。もしトラブルがある場合は、放置せずに適切なケアを行うことが大切です。
本記事では、爪の役割や起こりやすいトラブル、対処法などを解説します。日々のケアで爪のトラブルを未然に防ぎ、健やかな状態を保ちましょう。
爪の3つの役割

私たちの生活に欠かせない爪の重要な役割は、以下の3つです。
爪にトラブルがあると、本来の役割をうまく果たせない可能性があります。なぜ爪は必要不可欠なのか、理由を詳しく見ていきましょう。
①:指先を保護する
爪の大きな役割の一つは、指先の保護です。誤って指をぶつけたり尖ったものに触ったりしても、爪があると衝撃や傷を防げます。指先の皮膚が爪で守られていると、乾燥しにくくなるメリットも。
また、爪の根元部分にある甘皮が新しく生えてくる爪を保護し、爪と皮膚の境目から細菌が侵入するのを防ぎます。
反対に、爪がなければ乾燥によるひび割れ、細菌感染などのリスクが高まります。爪を適切な長さに保ち、清潔にしておくことが大切です。
②:ものを掴むときの力を支える
爪は指先に加わる力を安定させ、ものをしっかり掴めるよう支える役割があります。指の骨は指先まで達していないため、爪がないと圧力を押し返せずものを掴めなくなるでしょう。
また、爪は指先に加わる力の加減も調節しています。たとえば、針に糸を通すような繊細な作業ができるのは、爪が力をコントロールしているためです。
爪が極端に短かったり薄かったりすれば、力のコントロールが難しくなり、うまく作業できなくなる可能性があります。
③:体のバランスをとる
足の爪は体のバランスをとる土台となり、立つ・歩くといった動作において重要な役割を果たしています。私たちが姿勢を保ちふらつかずに歩けるのは、足の爪が体重を支え、地面を蹴る力をサポートしているためです。
したがって、足の爪を極端に短くしてしまうと、地面を踏みしめる力が弱まってバランスを崩しやすくなります。また、爪が必要以上に厚くなると、足にうまく力が入らないケースも。爪の状態が悪化するとスムーズに歩くことが難しくなり、転倒リスクが高まる可能性があります。
爪に起こりやすい3つのトラブル

爪に起こりやすいトラブルは、以下の3つです。
トラブルを放置すると爪本来の役割を果たせず、姿勢や歩き方が不自然になるおそれがあります。また、痛みにより快適な生活が送りづらくなる可能性もあるため、注意が必要です。
①:巻き爪
巻き爪とは、爪の両端が内側に巻き込んで皮膚に食い込むトラブルです。靴選びの失敗や爪の切りすぎなどが原因となり、痛みを引き起こすケースがあります。
靴による指の圧迫
扁平足
爪水虫
深爪
遺伝
運動不足
乾燥
体重増加
巻き爪による痛みをかばうために足裏への体重の乗せ方を変えると、姿勢や歩き方が不自然になります。不自然な姿勢はひざや腰に負担をかけ、痛みの原因に。また、転倒リスクが高まるおそれもあります。
②:分厚い爪
分厚い爪は新しい爪が伸びず、上方向に厚みを増していくトラブルです。爪と皮膚の間に角質や汚れが蓄積すると、爪が真っ直ぐに伸びず、徐々に厚みを増して段差になってしまいます。
分厚い爪を放置すると爪が切りにくくなり、爪が剥がれたり割れたりするケースも。また、症状が進行して痛みや不快感が生じると、靴を履くのもつらくなるでしょう。歩くことが難しくなり、外出を避けるケースも少なくありません。
③:へこんだ爪
爪の表面にへこみができている場合、体の調子が悪くなっている可能性があります。深い横のへこみが見られるときは、栄養が足りていないサインです。
また、甘皮を処理するとすき間から細菌が侵入しやすくなり、炎症が起きて爪がへこむケースもあります。甘皮には新しい爪を保護する役割があるため、過度な処理は避けたほうがよいでしょう。
さらに、爪のへこみは足指の形に影響を及ぼす可能性もあります。爪の変形によって指の形が変わると、靴擦れが起こりやすくなります。
爪に現れる体調不良のサイン

健康な爪は薄いピンク色で見た目もきれいですが、以下の症状に当てはまる場合は体調不良が疑われるでしょう。
| 症状 | 症状の原因 |
|---|---|
| 爪に縦線が入る | 加齢、睡眠不足、過労、ストレス、乾燥 |
| 爪に横線が入る | ストレス、栄養障害、感染症 |
| 爪が割れる | 乾燥、ビタミン不足、加齢 |
| 爪の色が不自然 | ・白濁:肝臓・腎臓の病気の可能性 ・黄色:新陳代謝の低下、リンパ系の病気の可能性 ・赤色:多血症の可能性 ・緑色:緑膿菌の感染 ・青紫:血流の滞り ・青白:貧血 |
上記のような症状が出ているにもかかわらず放置してしまうと、体調不良が悪化するおそれがあります。体からのサインを無視せず、生活習慣の見直しや医療機関の受診を検討しましょう。
爪のトラブルが現れたときの4つの対処法

爪のトラブルが現れたときは、以下の対処法を試すと症状の悪化を防ぐ効果が期待できます。
トラブルに気づいたら早めに対応し、重症化を防ぎましょう。
①:インソールを活用して歩きにくさを軽減する
爪のトラブルによる歩きにくさには、インソールの活用が効果的です。インソールを使用すると靴の中で足がズレにくくなり、爪への衝撃や圧迫感を軽減できます。
また、浮き指・扁平足・外反母趾により足裏にかかる体重が偏っている方は、インソールによって圧力が均等になり、体のバランスが保てるように。足裏への圧力が分散されると、巻き爪防止にもつながります。
正しい歩き方ができるようになれば、足全体への負担も和らぐでしょう。
②:爪の食い込みにはコットンパッキングで応急処置する
巻き爪による爪の食い込みには、コットンパッキングによる応急処置が効果的です。5~7mmにカットしたコットンを、ピンセットを使って爪と皮膚の間にはさみましょう。コットンをはさむと爪による圧迫が緩和し、痛みを軽減できます。
コットンは毎日交換し、清潔さを保つことが大切です。コットンパッキングを継続すれば、巻き爪の進行を防ぎ症状の改善が見込めます。
ただし、コットンパッキングは一時的な痛みの緩和にすぎないので、巻き爪で痛みが出ている場合は専門店での適切なケアが必要です。
③:割れた爪はテーピングする
割れた爪はテーピングで保護し、症状の悪化を防ぎましょう。放置すると爪が衣服に引っかかりやすくなり、割れがひどくなる可能性があります。
テーピングする際は、医療用テープや絆創膏などの粘着テープを用意しましょう。粘着テープを約5cmの長さにカットし、軽く引き伸ばして割れた部分を覆うように貼りつけます。
テーピングした後は、新しい爪が十分な長さまで成長するのを待ちましょう。
④:爪と皮膚の間に溜まった角質を取り除く
爪の厚みが多少増してきた程度なら、爪と皮膚の間に溜まった角質の除去で症状改善が期待できます。
お手入れするのは、爪が柔らかくなる入浴時がおすすめです。汚れや角質を優しく取り除き、必要に応じてやすりで表面を整えていきます。
ただし、分厚くなりすぎた爪はセルフケアが難しいため、専門家への相談を検討しましょう。
爪の役割を維持する4つのポイント

爪の役割を維持するには、日頃から以下の4つを心がけることが大切です。
ポイントを意識して爪のトラブルを予防し、健康的な爪を保ちましょう。
①:正しい方法で爪を切る
爪のトラブルを防いで健康に保つには、正しい方法で爪切りするのが重要です。
- 爪を切る際は、できるだけ切断面が真っすぐになるように意識する
- 指先の肉から1~2mmほど後退した長さに切る
- 爪切り後の尖った部分は、やすりで削って滑らかにする
爪の両端を斜めにカットすると、巻き爪になりやすくなるため注意しましょう。また、切りすぎたり長いまま放置したりするのも、巻き爪の原因になります。
爪を切るタイミングは、月に1回が目安です。指先の肉が、爪で隠れる程度の長さになったら切るようにしましょう。
②:こまめに保湿ケアする
健康的な爪を維持するには、保湿ケアが欠かせません。キューティクルオイルを爪や指先になじませ、乾燥を予防しましょう。
①:爪と皮膚の間にオイルを垂らす
②:両手をすり合わせ、爪の裏側や甘皮にもなじませる
③:少量の水でオイルを乳化させ、保湿効果を高める
④:指の間も丁寧にケアし、手指全体を保湿する
保湿ケアを習慣化し、割れや欠けを防いで美しい爪を保ちましょう。
③:爪の成長に必要な栄養素を摂取する
爪の成長には、以下の栄養素がかかわっていると考えられています。
下記の栄養素と食材をチェックし、適切な栄養が取れているか確認しましょう。
| 栄養素 | 概要 | 多く含む食材 |
|---|---|---|
| ビタミンA | 皮膚や粘膜を作る | レバー、うなぎ、卵黄、人参、ほうれん草 |
| ビタミンB2 | 細胞の成長を促す | アーモンド、焼き海苔、パルメザンチーズ |
| ビタミンE | 血行を促進する | かぼちゃ、ほうれん草、ブロッコリー、アボカド |
| カルシウム | 爪の形成にかかわる | プロセスチーズ、ししゃも、がんもどき |
| 亜鉛 | 代謝を促進し、爪の生育を促す | ピュアココア、いりごま、いわしの煮干し |
| 鉄分 | 爪の割れや反りを防ぐ | きな粉、豚レバー、かつお節 |
前述の表の栄養を摂取するには、栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
適切な食事やサプリなどを摂取して、爪の成長を内側からサポートしましょう。
④:適度な運動を心がける
爪の健康を保つには、適度な運動が重要です。運動すると血の巡りが良くなり、爪まで十分な栄養が届きやすくなります。
歩くときは、足指全体で地面を蹴り出すようなイメージを心がけましょう。親指に体重が乗るよう意識的に歩くと、巻き爪の予防にも効果が期待できます。
一方で、かかとに重心がかかったり足を引きずったりする歩き方をすると、足のアーチが崩れやすくなり、爪のトラブルや転倒リスクを高める原因となるため歩き方には注意しましょう。
爪の役割を理解し、トラブルがあるときは専門家に相談しよう
爪には指先を保護する、体を支えるなどの役割があり、私たちの日常生活に不可欠な存在です。しかし、爪にトラブルが生じると、本来の役割を果たせなくなります。
セルフケアで改善が見られない爪のトラブルは、専門家に相談しましょう。
特に巻き爪や分厚い爪といった症状が気になる方は、巻き爪補正店への相談をおすすめします。症状に合わせた施術や、トラブルを予防するための指導により、爪の悩みを解消できるでしょう。
