これは魚の目?
2023年04月15日
画像からの所見
画像のような所見はタコ?魚の目?
これは点状の出血点が「赤点」または「黒点」として表面によくみられる
【ウィルス性イボの所見】です。
ウィルス性イボ(尋常性疣贅)とは
魚の目やタコとよく間違われることがあります。
原因はヒト乳頭腫ウィルス(HPV)というウィルスの表皮または粘膜の基底細胞への感染が原因です。
ウィルスは微小な外傷などから侵入し、角化細胞がどんどん分化し増殖していきます。ウィルスの粒子は角層が脱落すると、外部に放出されてまた他の部位に侵入して感染します。
一般的に外傷を受けやすい手指、手背、足底、足背などに多く見られますが、部位により特徴があります。足底ではあんまり隆起しないカサカサした病変で、前述の画像のような所見があり、表面を削ると出血することも特徴です。硬くなると歩行時に痛みを生じる場合もあります。
自己処置やむやみに削ってしまうと、増殖して悪化したり他の部位へ感染する可能性が高いので、魚の目やタコと違い、適切な診断が必要となります。
診断・治療
診断や治療は医療機関となります。
医療機関でダーモスコピー検査を行います。ダーモスコピーとはダーモスコープという特殊なルーペのことで、病変の構造を詳しく観察することができます。病変の血管の状態なども観察することができ、疣贅と診断するためにとても有用です。ダーモスコープでの診断が難しい場合、病理組織検査を行う場合もあるようです。
【イボの代表的な治療法】
ひとつの治療法でなく、いくつかの方法を組み合わせて行うこともあるようです。患者様の背景や疣贅のタイプや大きさ、数、発症部位などを考慮したうえで相談しながら治療をおこなってもらいましょう。
●液体窒素…
液体窒素(マイナス190度の液体)を用いてイボを凍結することでイボ組織を壊死させ、下から正常な皮膚が出てくるのを繰り返し行う治療です
●外用療法
(トリクロロ、モノクロロ酢酸)
モノクロロ酢酸という強い酸を塗布することでイボ組織を腐食させ、イボを壊死させる方法です。
(サルチル酸軟膏塗布)
塗り薬でイボをふやけさせ、いずれ取れるのを待つ治療です
●漢方薬内服(ヨクイニン)
免疫力を高めていぼの改善を図ります。有効性についてははっきりしないようです。
※いずれの治療も医療機関でよく相談しましょう!